企業と税理士とにおけるトラブルや契約 その2 「提供される業務が契約と異なる」

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前回は、企業と税理士とにおけるトラブル例を簡単に紹介いたしました。今回は、その「トラブル例」を個別に説明していきます。


●トラブル:提供される業務が契約と異なる●


これは、契約締結当初に税理士から「我が事務所ではこのようなサービスを御社へ提供します」と言っていた内容と、実際に提供してもらっている業務が異なるというトラブルですね。


一般的に税理士(会計事務所)との契約は、『税務顧問契約』が主流だと思います。その契約書の第1条か第2条あたりに『受託業務の範囲』が記載されているでしょう。これは税理士(会計事務所)がどのような業務を提供するのかを記載してあります。 ”この業務をしますから顧問料を○○万円です。” という企業が支払いするお金の根拠です。この中に、



・税務に対する一般的な相談

・月次の巡回監査訪問

・記帳代行業務

・試算表の作成

などが記載されていると思います。



契約当初は「毎月1回は御社へ担当職員が伺い、帳簿等のチェックをして会計資料を持ち帰る巡回監査を提供いたします。その会計資料を事務所へ持ち帰り、試算表を作成し翌月に再度お伺いした時に試算表をご報告を致します」という約束をしたのに、契約したばかりの半年間は毎月1回は会社に訪問してくれていたけど、いつの間にか2~3ヶ月に1回ぐらいの訪問頻度になり、それが半年に1回程度になり・・・と当初約束した内容と異なってしまうことがあります。


この様な当初の約束と異なってしまうのは様々な理由があります。



別に税理士(会計事務所)の弁護をする訳ではないですが税理士(会計事務所)側の理由としては、会計事務所では職員1名当たり、15~30社の企業を担当します。そして、その担当企業の訪問予定を毎月決めるのですが、毎週日曜日を休みとすると活動できる日数は月あたり25日です。


この25日間で会計事務所の職員はどのような業務をこなさなければならないのかといいますと、


  ・今月の行動計画を立てる

  ・訪問する企業へのアポ取り

  ・担当する企業に伺い会計資料をチェックし持ち帰る

  ・持ち帰った会計資料を基にパソコン等へ会計データを入力する

  ・試算表を作成し、企業へ報告する資料をまとめる

  ・毎月伺う企業の中で決算を向かえる企業の決算事前対策を企業の社長と一緒に検討する。

  ・毎月伺う企業の中で申告を向かえる企業の決算まとめ作業及び税務的チェック及び申告書作成及び企業の社長への報告を行う

まぁ、これらが一般的な業務でしょう。そして、この業務以外にイレギュラー業務として


  ・企業からの突然の相談依頼への対応

  ・中間決算が必要とする企業への中間決算対応業務

  ・税務調査があれば、その準備と当日の立会い及び修正申告の検討と修正申告書の作成

  ・外部研修会への参加

などが発生します。また、時期限定での特別業務もあります。具体的には


  ・1月ごろの年末調整関係書類の作成

  ・1月ごろの償却資産の申告書作成

  ・2月~3月ごろの確定申告への対応

  ・5月ごろの労働保険の計算業務

  ・6月~7月ごろの社会保険の基礎算定届けの作成

  ・ボーナス時期前の担当企業の資金繰りへの相談対応

などがあります。


また、会計事務所と企業とで単なる「記帳代行及び税務代理業務契約」だけでなく、「コンサルティング契約」(会計事務所ではMAS監査契約とか言ったりします)も交わしていると、


 ・短期経営計画の策定及び予算実績対比報告書類作成と企業への報告

 ・中期経営計画の策定支援

 ・役員会議へのオブザーブ参加

 ・年間資金繰り計画の策定支援

などの業務も発生することがあります。



上記の業務をみても、意外と会計事務所でも業務がたくさんあるでしょ。この業務を担当職員が25日間の営業日数の中でこなさなければならないのです。


そうすると、


  ・どうしても訪問アポを取らなければならないのは分かっているが、時間を確保することが出来ない

  ・忙しすぎてアポ取りを忘れてしまった

  ・当初予定していた訪問日に急な仕事が入り、日程変更を依頼したが当月中に代わりの訪問予定日を設定する空いている日がない

などの事が起こり、『毎月1回は訪問する』『月次試算表を提供する』という当初の契約業務を履行することが出来なくなってしまうのです。


まぁ 会計事務所側の理由はこんなところでしょう。勿論、各会計事務所では他にも様々な理由があるでしょうし、契約どおりに必死に企業に訪問している会計事務所もたくさんあります。




しかし、よぉ~く考えてみてください。


税理士(会計事務所)としてみれば、毎月○○という業務を提供する約束をします。だから、毎月■■の顧問料をいただきます。


企業としてみれば、毎月○○という業務を私の代わりにしてください。だから、毎月■■の顧問料を支払います。


税理士(会計事務所)と企業とでこのような「契約」を交わしているのですよね。『約束』をしているのです。


だから、税理士(会計事務所)は約束どおりにサービスを提供する義務があるんです。企業は約束どおりにサービスを提供してもらえる権利があるんです。


税理士(会計事務所)は、「契約:約束」を企業としたのだから、自分達の内情で様々な理由があるにせよ、約束を果たさなければならないのです。


でも、約束どおりに果たせないのはなぜか?・・・




それは、税理士(会計事務所)の目線が「お客さん」ではなく「自分:事務所」にあるからでしょう。「顧客満足意識」が薄いからです。


勿論、「顧客満足意識」が高い税理士や会計事務所もたくさんありますが、全ての税理士や会計事務所及び職員ではないですよね。だから、敢て言いますが、「国家資格たる税理士」「先生業」というブランドにふんぞり返っていないでしょうか?


何を生意気なこと言っているんだ!!  とお叱りを受けるかも知れませんが、敢て言いました。事実、会計事務所に不満を持っている社長さんに多く出会ってきましたから、敢て言いました。


 

税理士は「顧客満足意識」は高くても、会計事務所の職員レベルだとどうでしょうか?会計事務所の職員ですと、事務所の考えと顧問先企業との板ばさみになって悩んでいる方もいるのではないでしょうか?


今一度、税理士(会計事務所)や職員の存在理由を見つめる事が大事だと思います。顧客は何を欲しがっているのか?何をして欲しいのか?自分達は顧客に対して何が出来るのか?自分達が存在している理由・価値は何なのか?

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投稿日時: 2009年01月17日 10:28

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更新日:2020年02月06日

静岡県伊豆の国市 Officeパートナー渡辺良勝(事業承継サポート・経理担当後継者育成支援・経営相談対応・資金繰りコンサルティング,中小企業大学校東京校,中小企業大学校三条校,小規模企業支援能力向上研修,能力強化研修,コミュニケーション研修,専門家,株式会社エアーパス取締役) お世話になります。あなたの意志決定支援のパートナーの渡辺です。静岡県東部を活動の中心に中小企業のビジネスパートナーとして活動しています。お世話になります。
Officeパートナー代表
企業と人財を元氣にするパートナー 渡辺です。

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