企業と税理士とにおけるトラブルや契約 その3 「担当職員の熟練度が低い・担当職員が頻繁に替わる」

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前回は、「提供される業務が契約と異なる」というトラブル例について紹介いたしました。今回は、その「会計事務所の職員」に関するトラブルです。


●トラブル:担当職員の熟練度が低い・担当職員が頻繁に替わる●


私が現役会計事務所職員をしていた時にも、顧問先企業から「なぜ担当職員が頻繁に替わるのか?」という質問というか、お叱りを受けた事がありました。やはり、企業の社長や経理担当者にしてみると、折角、担当者の方と慣れ親しんできてこれから色々と話をしていけるかな?と思っていた矢先に、「これからは、●●に替わりまして、■■が御社を担当させていただきます」と急に自社の担当者が変更になるのは困りますよね。


「担当職員が頻繁に替わる」事と「熟練度が低い」事には関連性がありますので、区別する事無くお話をしていきますね。



「担当職員が頻繁に替わる」理由には3つあります。


一つ目の理由には、「会計事務所内における担当編成や組織改革による担当替え」です。会計事務所でも担当職員に対して20~30社程度の企業を担当させると以前お話をしたと思います。この20~30社をサポートしていく上で、地域が極端に離れていたり訪問ルートがズレていたりした場合、担当職員が訪問する時に非効率になる場合があります。会計事務所も一つの企業体ですので、利益を追求しなくてはなりません。ですので業務をいかに効率よくするかも大事なことです。


よって、会計事務所でも地域別や業種別などにグルーピングをしたりして、事務所内業務も効率化を図るために担当替えが行われます。ただし、この場合の担当替えはそれほど頻繁には行われないでしょうし、一度行ったらよっぽどの事が無ければ大きくは再編成はしないでしょう。


二つ目の理由には、「担当職員のレベル変化・企業の成熟度変化による担当替え」です。会計事務所の職員も正直言いましてレベルには個人差があります。「熟練度が低い」というトラブルにも繋がるのですが、経験が2年の職員と10年の職員では熟練度も違うでしょうし、サポートできる企業の難易度にも違いが出てきます。また、サポートさせてもらう企業の内情や内容・成熟度によって、会計事務所は担当職員を決定します。


売上高が1000万円~5000万円で複雑な取引がなく、現金商売や決まった得意先としか取引がない企業もあれば、売上高が5億、10億の規模の企業もあれば、売上高が1億だけど会計処理をする上で複雑な取引が発生する企業もあります。


また、担当する企業に明確な経理担当者がいるのか?いないのか?によっても大きな違いがでます。また、経理担当者がいたとしても、その経理担当者の経理会計業務の熟練度や応用力に差があることもあります。


会計事務所としてもサポートさせてもらう企業の内情や内容・成熟度によって、入社して1~2年経過した職員が担当できる企業なのか?5年ぐらい経験を積んだ職員を担当させるべきか?税理士レベルの専門的な知識を有する者が担当すべきなのか?を検討して担当職員を決定します。


そして、一度決めても、企業の成熟度に変化があった時や担当職員の熟練度に変化があった時などに「担当替え」が生じます。この場合の「担当替え」は定期的な見直し時期がある場合もありますが、臨機応変に「担当替え」をする場合もあります。ですので、この二つ目の理由による「担当替え」にはサポートさせてもらう企業側に一因する場合と会計事務所側に一因する場合があると認識していただければいいと思います。但し、「担当替え」の理由を正直に会計事務所側が説明をしてくれるかどうかは別の話ですけどね。


三つ目の理由には、「会計事務所側における人事による担当替え」です。現在の世の中、若者の離職率・定着率が問題になると思いますが、会計事務所という業界にも多少なりともこの「離職率・定着率」も問題になっています。私が東京で会計事務所に努めていた今から約20年前でも、私が入社したその会計事務所は職員数15~18名ぐらいの規模でしたけど、10月に入社した私の後に中途入社・新卒入社してきた人たちは1年も経たないうちに退職していきました。そして、私がその事務所を退職して転職して入った会計事務所でも同じように私が入社してから私の後に入社した人たちは1年も経たないうちに退職していきました。まぁ、私も1年しかその会計事務所には在籍していませんでしたけどね。


そして、私が地元に戻ってから就職した会計事務所でも同じような状況でした。私は地元の会計事務所には7年間勤務しましたが、私が入社した2年後には先輩職員が退職し、私の後に入社した後輩職員も3年後に退職していきました。会計事務所側としても、戦力強化の為に職員を募集し採用するのですが、一人入れば一人辞めるような状況でした。勿論、こんな事務所ばかりではなく毎年職員が増えていく事務所もありますし、離職率が低い会計事務所もたくさんあります。ですが、どうやら若い職員はあまり定着しない傾向があるようです。ですので、ほぼ毎年のペースで担当職員が替わってしまうというトラブルが発生するのです。


担当してもらう企業側としてみれば、担当職員が替わる度にその職員との人間関係を構築しなければならないし、自社の経理内容の説明や会社の仕組みを毎回一から説明しなければならなくなり、負担が大きくなりますよね。企業としてみれば、自分の会社や個人の懐具合という他人には絶対見せられない部分を見せる相手だけに、長くて深い関係を構築していきたいですよね。




そして、「職員の担当替え・離職率の高さ」に関連してくるのが「担当職員の熟練度」です。当たり前の事ですが、その業界に長く在籍していればしているほど、業界の事が詳しくなりますよね。と言う事は「熟練度も上がる」ハズです。離職率が高い会計事務所では若手が育たない・人財が育たないという会計事務所経営に問題が生じてきますので、その事務所に在籍する職員の「熟練度」もなかなか向上しないのが問題にもなります。


また、税法は毎年1割程度が改正されるといわれるほど、変化がいろいろとあります。しかも、昨今の経済状況では臨時的な法律(時限立法)もあり、正直複雑になっています。これらの税法改正にどれだけアンテナを高くしているかによっても会計事務所職員の「熟練度」の個人差が出てきます。若くてもやる気があり、サポートさせてもらう企業のビジネスパートナーになりたいという思いがある職員は税法改正情報にも敏感でしょうし、税法以外の社会情勢や雇用情勢、マーケティング情報などにもアンテナが高くなります。逆に、勤務年数は長くても税法改正に疎かったり、情報収集アンテナが低い・少ない会計事務所職員もいます。もう、このあたりになると、会計事務所の経営方針や所長税理士の思いや職員研修に左右されるのではなく、その職員個人の気質や性格、目的意識を持っているか?夢や目標を持っているか?などの「会計事務所職員個人」の問題になってきます。



では、サポートを受けている企業としてはどうして行けばいいのでしょうか?




それは、「ちゃんと要求をする」事です。どうしても、会計事務所と企業の関係は心理的に上下関係が生じるようです。企業としても「お世話になっている。先生だから。面倒を見てもらっている」という思いが働くようで、会計事務所のほうが上、会計を見てもらっている自分達が下、という関係を自ら作っている場合が多いです。私が過去に見てきたり話をしてきたりして感じた事です。そして、事業規模が小さくなればなるほど、この上下関係は心理的に自動反応として生じるようです。


でも、会計事務所と企業とはパートナーであり、50対50の関係です。自社の成長の為に「必要な事、困る事をちゃんと伝える事」がとても大事です。


・担当をコロコロと替えないで欲しい。

・毎回説明するのが大変。毎回人間関係を構築しなければならないのが大変

・税法改正等についての情報はすばやく提供して欲しい

・税法以外で自社に役立ちそうな情報も提供して欲しい

・税法についての勉強を怠らないで欲しい。

・毎月、試算表について説明して欲しい

・過去も大事だけど、今について相談に乗って欲しい

・コミュニケーションもしっかりとって欲しい



 

但し、それなりの要求をしたりサポートレベルを上げてもらうにはそれなりの報酬を払う必要があります。現在、あなたの会社が会計事務所に毎月幾らの顧問料を払っているかは知りませんし、どのようなサービスを受けているかも知りませんが、より質の高いサービスを提供して欲しいのであれば、それなりの金額を払う覚悟は必要でしょう。逆に、今よりサービスの質を落としてもいい、または、今の受けているサービスと顧問料とが合っていないと感じるのであれば、顧問料の減額も要求してもいいでしょう。


会計事務所と企業とはパートナーであり、50対50の関係です。自社が成長できるパートナーを選びましょう。一緒に成長できるパートナーを選びましょう。折角払っている顧問料をその顧問料以上の価値を生み出す方法に活用させましょう。

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投稿日時: 2009年01月26日 09:04

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更新日:2019年10月02日

静岡県伊豆の国市 Officeパートナー渡辺良勝(事業承継サポート・経理担当後継者育成支援・経営相談対応・資金繰りコンサルティング,中小企業大学校東京校,中小企業大学校三条校,小規模企業支援能力向上研修,能力強化研修,コミュニケーション研修,専門家,株式会社エアーパス取締役) お世話になります。あなたの意志決定支援のパートナーの渡辺です。静岡県東部を活動の中心に中小企業のビジネスパートナーとして活動しています。お世話になります。
Officeパートナー代表
企業と人財を元氣にするパートナー 渡辺です。

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