250212 こんな時代だからこそ 源点回帰ベクトルな経営戦略を
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お世話になります。Officeパートナー代表の渡辺です。
これから夏にかけて物価上昇率2%に向けて平成25年度の本予算が決定していきますが、アベノミクスによる『金融政策、財政政策、成長戦略』の三本の矢で経済を成長させていくというシナリオがあるのは皆さんも周知のとおりです。
公共事業や金利引き下げなどで 内需が拡大していくであろうとの予測(計画)ではいますが、日本の経済を根底で支えている中小企業・零細企業にその経済効果が波及してくるにはタイムラグがあるでしょう。
しかし、中小企業・零細企業はそんな波及効果を待っているだけの余力・体力を十分持ち合わせている事業者は少ないです。
国の政策頼みでは 中小企業・零細企業は生き残れません。
その為にも、中小企業・零細企業は中小企業・零細企業だからこそ出来る経営革新や経営改善、成長戦略が必要になります。
経営戦略と言えば、「アンゾフの経営戦略論」が浮かぶ人も多いですよね。
事業拡大の軸に「市場」と「製品」を持ってきて
・市場浸透戦略
・製品開発戦略
・市場開拓戦略
・多角化戦略
の事業拡大マトリックスを提示した絵は誰もが一度は観た事があると思います。
今まで通りの経営・事業戦略では衰退を辿るだけで、経営における「革新的な展開」が必要だという事で、多くの中小企業・零細企業が「経営革新」(成長戦略)を模索していると思います。
アンゾフの事業拡大マトリックスでは、【 企業は成長する為に色々な成長ベクトルへの多角化が重要 】とうたわれていますが、どうしても「既存の経営スタイルでは駄目だから、新市場の開拓・新製品の開発が企業生き残りのためには必須の課題」という意識(考え)が中小企業・零細企業及び各種支援機関にはあるのではないかと私は感じます。
確かに 新たなマーケットに参入する・新たなマーケットを探す事は大事です。
既存の製品・商品をアップグレードをして行く事は 製品ライフサイクルから見ても大事です。
ですが、こんな時代だからこそ、足元を今一度見直してみる必要があると私は感じます。
アンゾフの事業拡大マトリックスも
【 企業の事業拡大はまず、既存の事業の市場浸透から始まる 】
となっています。
そこでの成長が難しくなると同じ市場に対して新製品・新サービスの開発及び投入を実施し、自社の製品サービスのラインナップを厚くする戦略を取り(製品開発戦略)、別の成長ベクトルとして既存の自社製品及びサービスは変えずに新たなお客さんを開拓していく戦略を取る(市場開拓戦略)という流れがあり、最後に「多角化戦略」へと向かう事になります。
しかし、私は ここで今一度 考えました。
本当に
【 経営環境が厳しい = 売上が減っている = 既存の事業ドメインでの成長ストップ 】
なんだろうか?
今の世の中、次から次へとマーケティング手法が出てきては消え、出てきては消えて行きます。多くの新製品・新サービスも世に出ては消えて行きます。
IT、ネット環境がスマホやタブレットのツールの浸透により より身近なモノになり、ネットマーケティングの手法も次から次へと出てきます。
そんな 新しい手法等は確かにそれなりの成果があったから世に出てくるのだと思いますが、どこか 【 踊らされている・振り回されている 】 と感じてしまいます。
だから 私は 思ったのです。
こんな時代だからこそ、今一度 足元を見直す必要があるのではないかと!
こんな時代だからこそ、源点に帰るべきだと!
市場は飽和状態、すでに既存のマーケットでは自社の製品及びサービスは衰退期に入っていると感じる事もありますが、本当にそうなんでしょうか?
確かに ある限られたエリアのマーケットはそうかもしてませんが、そのエリアやセグメントのすぐ隣りのエリアやセグメントで自社の製品及びサービスは衰退期ですか?
目先をちょっと変えたエリアやセグメントではどうでしょうか?
類似品も出回り、大手メーカー製品も出回っていると自社製品及びサービスの製品価値、利益力は落ちてきます。
しかし、御社の製品及びサービスのラインナップはその 1品や2品 しかないのでしょうか? 自信を持ってお客さんに奨める事が出来るアイテムはその1品や2品 しかないのでしょうか?
御社がそのエリア・そのセグメント・そのチャネルで今まで商売をしてきたという事は、そのエリア・そのセグメント・そのチャネルにおいて 「存在価値があった」という事です。
その存在価値が全くなくなったのでしょうか?
もし そうであれば、御社が存在している価値がなくなった訳ですから 成長戦略より撤退戦略・事業閉鎖戦略を考えるべきです。
でも、あなたの住む町、御社があるエリアの人口全員があなたの会社の製品を買った事があるでしょうか?
あなたの住む町、御社があるエリアの人口全員があなたの会社の製品を食べた事があるでしょうか?
あなたの住む町、御社があるエリアの人口全員があなたの会社のサービスを受けた事があるでしょうか?
仮に10万人都市の5%の人が 今まであなたの会社の製品を買ったことがあるとしましょう。サービスを受けた事があるとしましょう。製品を食べた事があるとしましょう。
でも、まだ、目の前には95%の 95,000人の人たちが あなたの会社の製品を買ったことが無い訳です。サービスを体験したことが無い訳です。食べた事が無い訳です。
この 未体験の95,000人は あなたの地元の人たちです。
何かしら あなたの会社の事は見た事、聞いた事は有るでしょう。
何かしら あなたの会社の名前を見た事、聞いた事はあるでしょう。
まだまだ 潜在的なお客さんは 目の前にいると思いませんか?
だから、
渡辺流成長ベクトルは 「源点回帰ベクトル」
として、
市場浸透戦略を更に深堀りする事
をオススメいたします。
自社のSWOT分析から 強みであり機会であるドメインを再構築して製品の開発改良をしたり、新たなマーケットを開拓していくのは ある意味企業戦略の常とう手段ですが、全く新しい市場の開発開拓、全く新しい製品の開発は 御社にとっては「未知の世界・未知の領域」です。
マーケティングコストもかかります。
研究開発コストもかかります。
アベノミクスの3本の矢でも「成長戦略」や税制改正における「研究開発費の税額控除」などの政策がありますが、「新しい事」には 何かとお金がかかります。
しかも、その新しい市場の開発開拓、新しい製品の開発をしたからと言って、その市場及び製品が確実にリターンしてくる訳でもありません。
そうであるならば、自社のSWOT分析にける 強みであり機会であるドメインを深堀りして行く方が、すでに企業にとっての「強さ・良さ」を発揮できるステージですから、そのステージで勝負をしたほうが費用対効果は高いです。
だからそ、市場浸透戦略の深堀りをして 今一度 足元から見直すのです。
既存の製品及びサービスと、既存の市場というセグメンテーションで、さらに細分化します。
そして、
既存の製品及びサービスですでに認知度が高い製品及びサービスを、既存の市場ではあるが自社や製品及びサービスの認知度が低い市場へ御社の存在・自社の製品・御社のサービスを浸透させるのです。
私はこれを「 Come On!戦略 」と「 +1(プラスワン)戦略 」と名付けました。
まだ御社のお店に来たことが無い人達に 1回でいいからお店に来てもらうんです。
まだ御社の製品を買ったことが無い人達に 1回でいいから御社の製品を買ってもらうんです。
まだ御社の商品を食べた事が無い人に 1回でいいから食べてもらうんです。
まだ御社のサービスを体験した事が無い人に 1回でいいから体験してもらうんです。
御社のお店に来たことがある人達に あと1回でいいからお店に来てもらうんです。
御社の製品を買ったことがある人達に あと1品でいいから御社の別の製品を買ってもらうんです。
御社の商品を食べた事がある人に あと1品でいいからサイドメニューを食べてもらうんです。
御社のサービスを体験した事がある人に あと1回でいいから別のサービスを体験してもらうんです。
10万人都市のマーケットシェアを独占しましょうと言っている訳ではありません。
市場占有率を高めましょうと言っている訳ではありません。
買った事が無い人 体験した事が無い人 食べた事が内人に 【 1回でいいから 】 買ってもらう、体験してもらう、食べてもらう のです。
【 たった 1回でいいから 】 です。
上記の仮に10万人の都市の まだ未経験の 95,000人の人が1回でいいから 御社の製品を買ったり サービスを受けたり、商品を食べたりしてもらえたら どれだけの売上が上がると思いますか?
御社の製品及びサービスの平均プライスが 仮に 2,000円 だとしたら、
2,000円×95,000人=190,000,000円 の売上ですよ。
勿論、10万人都市の中には競合店もあるでしょう。
御社の製品やサービスを必要としない人達もいるでしょう。
御社の製品やサービスに興味を持たない人達もいるでしょう。
御社の製品やサービスや御社が嫌いな人達もいるでしょう。
でも、10万人都市の未経験者95%ではなく、その内の10% 20% の人達に買ってもらえたり、体験してもらえたり、食べてもらえたりしただけでも 2000万円~4000万円 の売上になります。
ましてや、近隣の市町村まで商圏に入れて考えたら、仮に5%だけの人達に 買ってもらえたり、体験してもらえたり、食べてもらえたりしただけでも 対象人数が増えるのでかなりの売上増になるでしょう。
まずは 【 たった 1回 】 でいいです。
その 【 たった 1回 】 の体験からが始まりです。
原点回帰 の 「原点」を 【 源点 】 にしているのは、既存の製品と既存の市場が自社の経営の源(みなもと)であり、自社が存続させてもらっている源(みなもと)でもあるから です。
投稿日時: 2013年02月12日 22:56